2010.06.22 外来魚の功罪
特に淡水域で、ゲームフィッシングの対象となっている魚は、外来魚がほとんどだ。

引きの強さを楽しむゲームフィッシングができると言うことは、その対象が魚食性が強いということであり、生態系に大きな影響を及ぼす。

管理釣り場で厳重に管理されているのならまだしも、普通に川や池、湖で跋扈してしまっている。飼っていたものを捨てたのか、管理釣り場から逃げたのか、あるいは、ゲームフィッシングをするために故意に放流したのか分からないが、在来種にとっては迷惑至極な話である。

オオクチバス(ブラックバス)、ブルーギル、ニジマス、ブラウントラウト、カムルチー・・・これらが日本に移植されて来たのは明治以降のことだ。

最初は日本人の貴重な蛋白源として、簡単に殖え、成長の早いこれらの魚が重宝されたのだろう。当初の目的としては決して間違ってはいない。

しかし、飽食の現代、日本人の蛋白源としての存在意義は皆無だ。

ニジマスなどのトラウト類はそれでも食されている方であろう。実際、サケ科の淡水魚の塩焼きは最高にうまい。ガキおやじも年に一度は必ず管理釣り場でニジマス釣りをやる。バーベキューにして食うためだ。子供たちもニジマスの塩焼きなんかくれてやると興奮してかぶりつく。アユよりうまいとかいいながら(笑)。

しかし、ブラックバス、ブルーギルなどのサンフィッシュ科に属する魚あるいは、蓮魚、草魚などの中国大陸から移植したコイ科の魚は、どう料理しても現代日本人の口には合わない。

ムニエルだとか、バター焼き、ワイン蒸しだとかにすればうまいと言うヤツがいるが、日本人はもともとムニエルやワイン蒸しなどのバタ臭い料理は好きではないのだ。庶民がフレンチ行って魚料理頼む確率は大変低いにきまっている。

刺身、焼き魚、煮魚、干物、てんぷら、フライ。このどれかで美味しく食えない魚はダメなのだ。

まぁ、現代日本人も、知らずして毎日のように外来魚食ってるんだけどね。

たとえば、東南アジアのナマズ『チャー』が、持ち帰り弁当の白身魚フライの原料だったり、回転すしのスズキが『ナイルパーチ』だったり、アワビが『ロコ貝』だったり、サザエが『トップシェル』だったり、スーパーで売っている銀むつが『マゼランアイナメ』だったり、極洋マグロが『ガストロ』だったり・・・。

しかし、それは本気で在来の天然資源保護を考えて、あるいは、高級魚の味わいを安く提供するための『私企業』の努力の賜物である。企業は『安く』仕入れるルート開拓、また、『美味しく』提供するための輸送技術・加工技術を日夜開発しているのだ。

こういう魚は100%輸入だ。国内で養殖などやったら高くついてしまい、元も子もないからだ。

水産試験場などの公的機関が、税金を投じて代替魚を探すために、後先考えず琵琶湖や芦ノ湖などに放流するのとはわけが違う。水産試験場は、マグロの完全栽培に全力を注いでくれればよいのだ。

閑話休題。

『釣り』が目的で外来魚を移植するなど言語道断だ。また、釣りが目的でなく、観賞用としてショップなどで購入したのなら、どんな事情があっても自然に放流してはならない。日本はもともと島国で、ここの生態系は脆弱だ。大陸の生態系とは比べ物にならないほど規模が小さく、生命力、繁殖力も弱い。日本の在来種が外来魚を駆逐したと言う話は残念ながら皆無なのである。

といいうわけで、ゲームフィッシングをする人、特にブラックバス釣りをする『バサー』さんには、是非、釣ったバスは持ち帰って欲しいと思います。キャッチ&リリースはやめていただきたい。湖沼などの止水域では、ブラックバスは簡単に生態系の頂点に君臨してしまう。ブラックバスの生命力、繁殖力は、在来種にはとても歯が立たない。あっという間に生態系が破壊されてしまう。

また、『アクアリスト』の皆さんも、絶対にショップで購入した魚を自然に放たないで欲しい。ガキおやじも実はキャリア30年以上のヘビーアクアリストですが、一度も放流したことはありません。矢部池で釣った金魚やフナだって、一度飼ったものは放流なんかしたことない。

魚以外では、『マッカチン』ことアメリカザリガニも然り。日本古来のザリガニ『豆腐』がほとんど見られなくなってしまったことは大変残念だ。

ガキおやじが少年のころ、まだマッカチンと豆腐では、豆腐の方が圧倒的に多かった。豆腐が釣れると『ちぇっ、また豆腐だ・・・』と、がっくりしていたが、今ではほぼ100%マッカチンだ。我が家の子供たちは『豆腐』を知らない。

縁日で子供にねだられてついつい買ってしまうことの多いミドリガメ。こいつも絶対に放流しちゃダメだかんね。今、横浜三ッ池公園だって、大和泉の森公園だって、大きな池があるところはどこでもこの『ミドリガメ』こと『ミシシッピアカミミガメ』が跋扈していて、在来種のクサガメ、イシガメが激減している。

だらだらと書いてしまったけど、昔と違って今は生物の移動があまりにも簡単になってしまった。昔は海であったり、山岳であったり、天然の『堤防』があり、生物の住み分けが絶妙に出来ていた、その堤防を人間が取っ払ってしまったおかげで、種の保存が難しくなってしまっている。一部の強い種がどんどん幅を利かせ、固有種、希少種の生活の場がなくなってしまっているのだ。

そういえば、昭和50年代に、丹沢湖で初めて移植された、アルゼンチン原産の『ペヘレイ』は、今、定着したのかね? 『丹沢湖のペヘレイ釣り』なんてテレビ番組も見たことあったな。

トウゴロウイワシ科の魚としては、味がとても良く、数10センチの大型にもなると言うことで期待されていたはずなんだけど。丹沢湖に初移植した後、霞ヶ浦へも移植したんだよな、確か。

ペヘレイ売ってるのも見たことないし、ペヘレイ釣りやっているって人間も聞いたことねぇから、定着はしなかったのかね?

練り物の原料とか、乾きモノなどに加工されて、俺も食っていたりして。
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