子供の頃、というか成人するまで、魚が一切食えなかったガキおやじが言うのもなんだが、子供の魚離れが甚だしい。

骨が面倒臭い、生臭いなど、子供が魚を敬遠する理由はわからなくはないが、成長期の子供には必須栄養素である、カルシウム、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコペタンエン酸)、タウリンなどが豊富に含まれている。

一皿100円の回転寿司の出現で、子供の魚離れ阻止に一定の効果は上がっているだろうが、やはり子供は魚より肉、米よりパンを好む傾向がある。

我が家の子供たちは『和風総本家』すなわち、昭和のガキよろしく、米、魚をメインで食う。

特に魚は皮はもちろん、サンマくらいまでなら頭から全部食う。背骨まで食いやがる。海老も頭からバリバリ食う。犬畜生並みの悪食だ。

そんな我が家のガキは現代日本においては特殊のようである。

最近の母親がまず魚料理をしない。まれに魚を食うにしても切り身しか買わない。

魚の骨が面倒だからとか吐かすバカな日本人のために、中国やタイなどで、現地のワーカーが魚の骨を毛抜きで一本一本抜いたものが日本に入ってくる。

そうまでしてやっと魚が食えるようになると吐かす日本人。異常である。

子育て世代の親たちがこんなんだから、子供たちは魚を食う機会を奪われている。

さらに、切り身しか見たことないから魚の基礎知識もない。

アジとサバ、マグロとカツオ、ウナギとアナゴの区別がつかない親なんか序の口、ひどいのになると、アサリが成長するとハマグリになるとか、シメサバという種類のサバがいるとか、マグロを英語でシーチキンと教えるとか、俄には信じ難いママがいるのも紛れもない事実である。

そんな親の下に生まれてしまった子供は不憫だ。

アジは開きの状態で泳いでいるとか、シメサバが釣れただとか、英語のテストでマグロをシーチキンと回答し、クラス中の笑い者になってしまうのだ。

残念ながら、釣り師を除く最近の大多数の日本人(特に女性)は、魚にあまり興味がないらしい。

水族館に行き、水槽展示の魚は素通りし、イルカやアシカにショーという名の虐待をしているのを見て喜んでいる家族が多いことからしても垣間見える。

我が家の子供たちも水族館が大好きだが、ショーにはあまり興味を示さない。

大型回遊水槽の前でバカみたいに口をあけ、うっとりしているのが好きだ。たまに群れから脱落したイワシが他の魚に食われたりするところを見たり、給餌のシーンを見たりするのがいいんだそうだ。

水族館のメインはショーではない。大自然をそのまま切り取って、自然に限りなく近い状態を作り出す、スタッフの技術力を鑑賞するのだ。

そして、普段なかなか見ることの出来ない水中の秩序や厳しい掟を、陸上にいながらに観察することで、自然への敬畏、さらには自然を守ろうとする情緒を醸成するというのが、正しい水族館の楽しみ方である。

イルカの水しぶきを浴びて喜んでいるだけの親子は、もっと大事で奥が深く、楽しい水族館の遊び方を研究すべし。

そんな遊び方では、いつまでたっても英語でマグロは『シーチキン』のままだ。

せめて我が子には正しい知識を身につけさせる義務がある。

知識が増えれば、魚をもっと知りたくなるし、魚の旨さにも気づくはずだ。

まぁ、子供の頃魚食わなくても、年取りゃ魚食性になってゆくんだけどね。

ガキおやじは、釣りは7歳からしていたのに、魚を全く食わなかった、人生最初の20余年を後悔している。
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