2013.06.06 光学機器蘊蓄
ガキおやじ、今まで書いたことなかったと思うけど、光学機器に一家言持っているのです。

小学校5年、6年。学校のクラブ活動は『天文気象研究クラブ』に所属し、天体観測の神秘に目覚めた。

中学入学時、父の会社の健保組合から、扶養家族の進学祝で天体望遠鏡を貰った。口径50mmのオモチャのガリレオ式(屈折式)望遠鏡と、手動のギア式経緯台のセットだったが、月の表面や、オリオン座大星雲、おうし座プレアデス星団などを観測するには充分だった。

しかし、50mmの屈折望遠鏡では、土星の輪は、『丸い星の両側に耳がついたような形』にしか見えなかった。『分解能』という、遠くの天体のディテイルをきちんと分けて表現する能力(土星なら、本体と輪がきちんと分離して見せる能力)が絶対的に足りなかった。

図鑑の写真で見るような土星は、望遠鏡に取り付けたカメラのシャッタースピードを極限まで遅くし、露出を数十秒設けて初めて撮れる一枚であるということを知ったのはずいぶん後になってからだった。

高校生になり、理科の授業で地学を選択し、学校にある口径200mmの屈折式赤道儀を備えた天文台に泊り込み、太陽系惑星直列を観測した時、そのあまりの素晴らしさに、『やはり望遠鏡は対物レンズの口径が全てなんだな!!』と思い至り、50mm屈折望遠鏡が物足りなくなり、材料を買いあさり、120mmのニュートン式(反射式)望遠鏡を自作した。

今でこそ120mmの反射式望遠鏡は3万円程度で買えるが、当時は10万円でお釣りが来るか来ないかと言った高級品だった。同じ口径の屈折式望遠鏡を買おうと思ったら30万円は下らなかった。

屈折式望遠鏡は、鏡筒内をつや消しブラックアウト塗装したり、対物レンズの焦点距離を基にした光路図通りに鏡筒内の数箇所に絞りを入れてやらなければならなかったり、かつ、鏡筒内が密封されるため、結露対策やレンズの防曇対策が必要などなど、素人には簡単には作ることが出来なかった。

その点、ニュートン式反射望遠鏡は作るのが簡単だった。まず、鏡筒が不要。アルミアングルを組み合わせ、長方形の枠だけを作ればよい。放物鏡を固定するフレーム、反射した光をアイピース(接眼レンズ)の方向へ90°曲げるための斜鏡を取り付けるブラケットの加工精度だけに気を使えば良い為、高校生でもそれなりのものが作れた。

総費用3万円で、120mm反射式望遠鏡を作ることが出来た。素人が作った120mm反射式望遠鏡でも、既製品の50mm屈折式望遠鏡よりも遥かに性能の良いものが出来た。

・・・相変わらず前置きが長い。。。

ミザール・短焦点双眼鏡 BK-8030
↑これはガキおやじが吟味に吟味を重ね、18年前に購入したミザール・短焦点広角双眼鏡・BK-8030だ。今では考えられないかもしれないけど、『Made in JAPAN』の逸品だ。当時、光学機器は日本のお家芸で、中国で作るなんて考えられなかったんだよな。

東名高速道路・御殿場ICそばにあったディスカウントショップ『夢シティー』で、8,980円だった。すげぇお買い得だった。『夢シティー』って、今でもあるのかな???

望遠鏡でも双眼鏡でも、素人は『倍率』を重視する。しかし、少しでも心得がある者は、それは愚行であることに気づく。デジカメの『画素数戦争』あるいは『光学倍率戦争』に素人が翻弄されるのと一緒だ。

光学機器の生命線は『倍率』ではなく、『明るさ』と『視野角』だ。倍率なんか、アイピース(接眼レンズ)側でいくらでも調整できるのだ。しかし、倍率が上がれば上がるほど、暗く、視野角が狭くなり、見づらくなる。

『明るさ』、『視野角』は、対物レンズの口径と焦点距離に依存する。口径が大きければ大きいほど、焦点距離が短ければ短いほど明るく見える。光学機器の性能は、f値と呼ばれる、焦点距離を口径で割った数値で表され、数値が小さければ小さいほど、明るく、広角で見ることが出来る。

しかし、焦点距離が短ければ短いほど、『色収差』と呼ばれる、接眼レンズ越しに見える範囲の外周に変な色がついて見える現象が起こりやすい。この色収差を解消させるため、よりシビアに焦点を結べるよう、精度の高い研磨が必要だったり、色収差対策のコーティングを施さなければならなかったり、とにかく短焦点レンズは高いのだ。

望遠鏡のf値は10(焦点距離1,000mm、放物鏡の有効径100mm)程度が安いのだが、見える画像は暗く、使い物にならない。f5程度が肉眼で見るにはちょうどいいのだが、何せ高い。双眼鏡の場合、もっと近くのものを見るため、明るさと視野角は望遠鏡以上に重要になる。f値は5以下が望ましい。

この双眼鏡は、口径30mm、焦点距離100mm、f値3.3、倍率8倍固定だ。ズーム付双眼鏡は使い物にならない。願わくば口径50mm欲しいところなんだけど、突然価格が上がってしまう。

双眼鏡の生命線はレンズ口径と焦点距離。口径は大きく、焦点距離は短く。コレが明るく広角を見るための必須条件!!
↑ご覧の通り、『Bird Watching』用となっています。バードウオッチング用双眼鏡は、倍率は8倍がmax。それよりも、広角が見えること、明るく見えることだけを考えて設計されている。ピントはシャープに決まるし、視力調整用アジャスターもついている。ガキおやじは、コレならメガネなしでも見ることが出来る。購入して18年経つけど、いつも使っているにもかかわらずレンズにはキズひとつなく、大事に大事に使っている。

少し重く、サイズが大きいのが玉に瑕だが、ガキおやじはコイツがいたく気に入っている。

当然、明後日の横浜スタジアムには持って行くぜ!!

・・・子供に取られてしまうんだろうけど(笑)。
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