お~しっ! ヒット~っっっ!!

ロッドの先端が美しい弧を描く。

姿の見えぬ相手の激しい抵抗に一進一退しながらファイトを楽しむひとときは射精の気持ち良さに比肩する至福の瞬間だ。

激しい攻防の末、やがて青白い魚影が水面に淡く浮かび上がる。

フッキングは完璧だ。ランディングネットをおもむろに取り出し玉の柄を繰り出しながら、ほんの一瞬目を離した瞬間、ラインが足元の岩肌を嘗める。

・・・ブチッ!!

あぁぁぁぁぁ~・・・やってもうた(x_x)

岩肌を嘗める根ズレ、或いは結び目が解けたのかもしれないが、もう一息のところで取り逃がす。

ガキおやじをはじめとする三流釣り師にはよくある光景だ。へたくそだから仕方ない。もっと慎重に、魚をネットに収めるまで、絶対に気を抜いてはイケナイ。

・・・この記事の問題はそこではない。

絶体絶命のピンチを、寸でのところで敵失に救われた魚の方だ。

当然ながら、逃げおおせた魚の口には、ガッチリと針が食い込んでいる。針だけではない。場合によっては数十メートルにも及ぶ長い長いラインを身に纏っていることだろう。

彼らにしてみれば、きちんと釣り師のおじさんに捕らえられ、その場で絶命させられた方がナンボも幸せだったであろう。『およげ! たい焼きくん』の最期のように。 

仮にその場は逃げおおせたとしても、彼には元の平穏な日常は訪れない。

手錠をかけられたまま、足枷を引きすりながら脱獄を果たした囚人と何ら変わらないのだ。

自分でフックを外すことは不可能だ。外してくれる仲間も医者もいない。

針が外せないということは、すなわち、餌を摂る事が出来ないということだ。

長いラインを引きずりながらの場合は、海原を自由に泳ぐこともできなくなる。

針をくわえたままの魚には、遅かれ早かれ死が待っているのだ。

世界の海山川湖沼には、こうして釣り針をくわえたまま、ただ衰弱の果ての死を待っているだけの魚が何百万匹何千万匹もいるのだ。

フッキング後のラインブレイクは、釣り師が犯す最大級の罪であると、ガキおやじは思うのだ。

だからと言って、どうにも対策のしようがないけどね。

針がかりしたら、とにかくバラさぬよう、高級な強いラインを使い、結びかたは完璧にマスターすることだ。

・・・ガキおやじの場合は、まず釣れないからそこまでシビアになることもないんだけど┐('~`;)┌
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